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静岡を支える「縁の下の力持ち」

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静岡を支える「縁の下の力持ち」

関西大学4年生

秋元大和

遠鉄アシスト株式会社

矢田 央生

interview

学生と経営者がお互いに意見交換しながら、相互理解を深めるHR sessionの対談コンテンツ。

今回は、遠鉄アシスト株式会社 取締役社長 矢田 央生様に、お話を伺いました。

関西大学4年生
秋元大和

2024年4月より株式会社クイックで就業予定。小学2年生から高校3年生までサッカーをしており、高校時代は京都の男子校で副キャプテンとしてサッカー部に所属していた。現在は、大学のサークルで、サッカーやフットサルをしているが、最近はゴルフにハマっている。

遠鉄アシスト株式会社
矢田 央生

1970年9月生まれ。53歳。青山学院大学を卒業後、遠州鉄道株式会社に入社。グループ会社含め様々な事業に従事し、2016年に遠鉄アシスト株式会社の取締役に就任。2022年に代表取締役に就任し、現在に至る。

目次





静岡で地域貢献がしたい

秋元
本日はよろしくお願いいたします。はじめに矢田様のご経歴について教えてください。


矢田
昭和45年生まれ、去年53歳になりました。1994年に、親会社の遠州鉄道株式会社に入社をしました。30年経ちますが、2015年に今の遠鉄アシスト株式会社に出向し、2022年6月に代表取締役に就任しました。


秋元
そうなんですね。遠州鉄道株式会社様に入社されたきっかけを教えてください。


矢田
東京の大学に通っていたのですが、地域に根付いている会社で地域貢献したいという想いがあったので、遠州鉄道株式会社を選びました。


秋元
そうなんですね。2015年に御社に出向されたと思いますが、どういったきっかけがあったのでしょうか。


矢田
今、事業の中で食品検査事業というのがあるんですけど、遠州鉄道株式会社で2年半そこの課長をさせていただいていました。
その事業を弊社が吸収して、それと合わせて出向した、そんなきっかけです。


秋元
そういう経緯があったんですね。


地域、従業員への想い

秋元
地域の方々に対してと、従業員に対してどのような想いを持って、社長になられたのかお聞きしてもよろしいでしょうか。


矢田
地域の方々に対しては、共に歩みながら、共に成長しながら、地域を活性化させたい、というような想いがあります。弊社の10年後のありたい姿に「困った!をありがとうに」というのがございます。
地域の方々の「困った!」を私たちの事業を通じて感謝を持っていただけるよう、社長として事業を続けています。


秋元
そうなんですね。 「困った!をありがとうに」という言葉は御社のHPを見させていただいた時から素晴らしい言葉だと思っておりました。


矢田
ありがとうございます。従業員に対しては、研修の時に3つのことを必ず伝えています。
1つ目が「自分たちの商品・サービスが地域に貢献しているか」。
2つ目が「従業員が幸せか」。
3つ目がその結果として「利益が上がっている」です。


秋元
「従業員が幸せか」についてもう少し詳しくお聞きしてもよろしいでしょうか。


矢田
幸せにも2つあると思っていて、1つ目が「働きがい」、2つ目が「給料が高いか」。特に従業員にはこの「働きがい」を持ってほしいと思います。


秋元
「働きがい」は私もアルバイト生活を通じて重要だと感じていました。
矢田様の社長メッセージの中にもある「あってよかった」という言葉にはどのような背景があるのかお聞きしてもよろしいでしょうか。


矢田
実は遠鉄グループの中で「あってよかった遠鉄グループ」というありたい姿があります。
例えば遠鉄ストアで買い物ができて、車の免許を取る時は自動車学校で教習を受けて、というように身近に遠鉄グループがあるというのが背景です。
それをグループ全体でやっていこうというのが、この10年取り組んできたことになります。


秋元
ありがとうございます。
「あってよかった」という言葉も私自身非常に気になっていた言葉でした。


矢田
「あってよかった」という言葉は、たしか10年前くらいに遠鉄グループの色々な会社の人たちが集まって、グループワークをして、その中から生まれた言葉だと思います。
だから会社の想いと従業員の想いがそこに1つになってて、大事なフレーズになっています。


秋元
決して軽い言葉ではないということですね。
私も、営業として4月から働きます。「秋元に任せてよかった!」と思ってもらえるように頑張っていきたいと思います。


矢田
そうですね。頑張ってください。


秋元
ありがとうございます。


遠鉄アシストならではの地域貢献

秋元
次に事業についてのお話をお聞きしたいと思っておりまして、どういった軸で遠州鉄道株式会社様から事業を請け負われているのかをお聞きしてもよろしいでしょうか。


矢田
私たち遠鉄アシストは1999年に創立した若い会社です。
遠州鉄道株式会社から「新しいことをやりながら育てろよ」というような意味合いを兼ねて仕事をもらっているということで事業を推進しています。


秋元
はい。


矢田
今も5つの事業をやっていますけどそれらを融合して、化学反応させながら、成長させていくことを考えています。
他のグループ会社とは違う、枠に当てはまらない新しい事業をやっている、そういう会社です。


秋元
御社だからこそできることなのかもしれませんね。


矢田
そうなんですよね。
他のグループ会社は名前=事業みたいになっていますが、
弊社はそういう意味では枠にはまらない様々なことが実はできるんじゃないかなと思います。


秋元
そうなんですね。ありがとうございます。
指定管理事業に関しては請け負われた事業なのか、御社が始められた事業なのかお聞きしてもよろしいでしょうか。


矢田
弊社が市と県が指定管理制度を始めた中で手を挙げてスタートしました。


秋元
浜松市が本格的に指定管理制度を始めた平成18年の時ですよね。この年に手を挙げて始められたのでしょうか。


矢田
はい。


秋元
どのようなきっかけ、想いがあったのでしょうか。


矢田
基本的にグループも含めて、地域に貢献することが1番です。
あとは地域の観光復興という目的の中で、1番最初に行ったのが浜松城と浜松まつり会館、その2つが観光復興という意味合いで手を挙げて受託したところがスタートです。


秋元
浜松市のHPを見させていただいたのですが、高い評価を得られていますよね。


矢田
今年は、たまたま大河ドラマの関係もあって浜松城にはすごく多くのお客様に来ていただきました。
ちょうど大河ドラマ館が浜松城の下の公園にできてそちらの方にもたくさんお客様がきていただいて高い評価をもらった感じです。


秋元
そうなんですね。高い評価を得ることはそう簡単なことではないと思います。


「お客様の顔」を想像して

秋元
地域貢献をしていくなかで、縁の下の力持ちのような事業がほとんどなのではないのかなと思います。
直接地域住民の方から感謝をされることはあるのでしょうか。


矢田
少ないと思います。
それは今言っていただいたみたいに縁の下の力持ちのような事業ばかりだからだと思います。


秋元
そうなんですね。


矢田
清掃でいうと、毎日同じことを正確にやるというのはものすごく、地道で大変な仕事だと思います。ただ、そういうことをしっかりやるということはうちの会社のコンセプトなのかなと思います。


秋元
はい。


矢田
なので、表舞台に立つことはなかなか少ない中で、お客様から直接感謝をされることは思ってる以上に少ないのかなと思います。
ただ、従業員のみんなはお客様の顔を想像しながら、モチベーションを高く持って仕事をしてくれているので、いつも感謝をしています。


秋元
見えないお客様の顔を想像しながら働くこと、素晴らしいですね。


矢田
従業員の人が考えたなと思うのは、グループでホテルを経営していて、お客様の中に家族で連泊で来てる人がいたんですよ。


秋元
はい。


矢田
ベットメイクしたあとにその家族の子供が持ってきたぬいぐるみをお布団の中に入れてあげたりしていたんですよ。
その時はホテルに帰ってくるお客様にすごい喜ばれました。
みんなそういった意味ではお客様の顔を想像しながら一生懸命仕事をしてくれているなと思います。


秋元
矢田様がおっしゃっていた「働きがい」の部分ですね。


矢田
そうですね。モチベーション高くやられていることに本当に感謝したいなと思います。


秋元
今私も飲食店でアルバイトをしているんですけど、アルバイトということでお金をもらえる以上のことをしないアルバイトがやっぱり通常なのかなと思っています。
やっぱり御社の矢田様の働きがいっていうところが、従業員、パートの皆様に伝わって形になっているのではないかと思いました。


矢田
そうですよね。


秋元
「毎日同じことを正確に」これって難しいですよね。自分もすごく苦手で。


矢田
地道なんだけど、それがすごく大切だと思います。
ビルの設備管理では、毎日同じ設備を点検しながら、異常を見つけるとか、そういうことを1つサボってしまうと、お客様に大変迷惑をかけてしまうんです。
嫌になることはもちろんあることだと思うんだけど、すごく大切なことだと思ってやってくれているのかなと思っています。


秋元
作業をしている人は毎日を同じことをしていても、来るお客様は毎日違うということですよね。
俯瞰的に見ることも大切だなと今お話を聞いて思いました。


アシストとは「共に歩み、共に成長」

秋元
矢田様にとってのアシストの定義を教えていただいてもよろしいでしょうか。


矢田
お客様だけでなく、例えば従業員同士やパートナー会社等、お互いがお互いをサポートしながら、共に歩み、共に成長していくっていうのが私の考える定義になるんじゃないかなと思います。


秋元
「共に歩み、共に成長」ですね。


矢田
そうですね。それが最終的には地域の活性化とか地域貢献につながっていくのかなと思います。


秋元
おっしゃる通りだと思います。


矢田
パートナー会社でいえば共に助け合いながらも最後は事業をやっているので、地域に貢献しながらも、お互いのちゃんと売上利益を伸ばしていこうという考えです。


秋元
例えば地域の皆様との「共に成長」という部分を考えた時に、地域の皆様から助けられたみたいなエピソードはございますでしょうか。


矢田
助けられたになるかはわかりませんが、例えば指定管理施設であったりだとかスポーツクラブなんかで言うと、そこに魅力を感じて通ってくれることが助けられているなと思います。
うちの価値を感じながら来てくれることについては、ありがたいなって思います。


秋元
おっしゃる通りだと思います。


矢田
ちょっとした魅力や変化にお客様が感じてくれるところにすごく価値があるのかなと、そんな気がしています。


「困った!をありがとうに」の浸透

秋元
御社が求めるゴールをお伺いしたいです。


矢田
10年後のありたい姿の「困った!をありがとうに」がゴールだと思いながら事業を進めています。
でも「困った!をありがとうに」ってよくよく考えたら、「困った」っていつの時代もあって、永遠にそれってたどり着くの?って普通考えると思っちゃうよね。
あれ、ゴールないじゃんみたいな。


秋元
たしかにそうですね。


矢田
1つ思うのが、「困った!をありがとうに」という経営理念をみんなが理解して、その方向に向かうようになるのがゴールなんじゃないかなと思います。
まあ、なかなか難しいんだけどね。


秋元
難しいですね。
私も去年の就職活動で、会社を選ぶ軸として「社内での経営理念の浸透」を1つの軸として就活をしていました。
その軸を持って、弊社から内定をいただき、現在インターン生として活動をしています。
経営理念の浸透は非常に重要だと思いますし、会社の今後の成長と、楽しく働けるというところに繋がるんじゃないかなという風に話を聞いてすごく思いました。


矢田
例えば、A案とB案があった時に理念に基づいてやっぱりA案だよねってなれるように、そういった意味で理念とかありたい姿とかは大事だと思っています。
理念がよりどころにもなればいいなと思いますね。


遠鉄アシストで働きたい学生へ

秋元
御社のなかで活躍されている人の共通点をお聞きしてもよろしいでしょうか。


矢田
一言で言えば、良くも悪くも欲がある人。
「自分で色々なことを考えて、目標に向かって取り組みたい」というような欲がある人の方が活躍はしているんじゃないかな、そんな気はしますね。


秋元
私も今後社会人になっていくうえで、矢田様がおっしゃっていたように、欲がある人間になりたいなと思います。


矢田
意外と単純じゃないのかなと思います。
ああいうことやってみたいな、って思うことが大事で、そこに一歩踏み込んで自分から動いてチャレンジすることがやっぱり大事なのかなと思います。


秋元
地域を発展、豊かにしていく中で御社を志望する学生に向けて、矢田様がお伝えしたいことをお聞きしてもよろしいでしょうか。


矢田
弊社って従業員1,000人くらいいて、そのうち正社員が130人くらいしかいないんですよ。その正社員130人の中でも現場で働いている人がほとんどです
残りの人は契約社員というか、時給で働いているパートさんというかね、そんな方ばかりです。


秋元
はい。


矢田
指定管理事業やりたいなと思って、総合事務職として入社していただいても現場で、清掃のおばちゃんが一生懸命トイレ洗ってくれていたりします。
そういうのを素直に受け止められるような、正直で素直な人っていうのが、弊社の中で求める人材なのかなと思います。


秋元
今、活躍されている従業員の方の共通している人の特徴で「欲がある人」にプラスアルファで「正直さ、素直さ」というところが御社に求められる部分なんですね。


矢田
欲とかは頑張れば、働く中で培うことができると思うんですけど、正直さ、素直さってなかなか性格なので変えたりとか難しいことなのかもしれません。
ただ、正直さ、素直さがある人が、弊社に限らず、今からの時代なんかは本当に必要になってくるんじゃないのかなって気がします。


秋元
矢田様がおっしゃっていた、社内の中でも「共に歩み、共に成長」というところが今のお話を聞いて、繋がっているのかなと思いました。本日は貴重なお時間いただきましてありがとうございました。


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