早稲田大学4年生
吉川 和希
イワサキ自動車株式会社
岩﨑 貴之
学生と経営者がお互いに意見交換をしながら、相互理解を深めるHRsessionの対談コンテンツ。
今回は、イワサキ自動車株式会社の代表取締役社長 岩﨑 貴之様に、お話を伺いました。
早稲田大学4年生法学部。2023年4月より株式会社クイックで就業予定。就活では人材、金融業界を中心に活動。趣味はサッカー、美味しいものを食べることで、休日はサウナで整う。今年初めて花粉症を発症、持病の鼻炎が悪化して鼻声に。
1971年4月生まれ。52歳。國學院大學経済学部卒業後 1994年 横浜トヨペット株式会社 に入社し営業職として従事。2009年神奈川県下営業成績1位を獲得 トヨタ自動車表彰式 へ出席。 2012年独立 イワサキ自動車設立 趣味はスキムボード、神社巡り。
目次
吉川
本日はよろしくお願いいたします。岩﨑社長のプロフィールをお伺いしてよろしいですか。
岩﨑
私は神奈川県伊勢原市で生まれ育ちまして、会社も伊勢原市で経営しております。学生時代はずっと陸上競技部に所属し中距離に取り組みました。卒業後は横浜トヨペット株式会社に入社し、20年間トヨタの営業マンとして毎日車販売やお客様のご支援をしておりました。その後、自分の会社を設立し現在に至ります。
吉川
岩﨑社長がカーディーラーの営業職にお勤めになられた経緯はいかがでしょうか?
岩﨑
自動車業界に入ったのは、大学3年の就職活動がきっかけです。10年間陸上競技に打ち込んできたので、努力した分だけ自分に数字として跳ね返ってきたり、自分が努力することによって周りの人に喜んでもらえたり、ということを求めていたら営業にたどり着いたという感じです。
吉川
営業職は岩﨑社長の部活動のご経験がきっかけだったんですね。
自動車業界へ進まれた経緯はいかがですか?
岩﨑
ショップ店員さんと営業職の違いを目の当たりにして、お客様にとって自動車を買う際に誰から買ったかが重要であることに興味を惹かれました。車というのは価格帯の高いラインナップなので責任は重大ですが、そこで勝負してみたいと思ったのが理由ですね。
吉川
営業職に進まれることに対して、岩﨑社長の過去の陸上競技の経験も何か後押しになったのかと思うのですが、実際はいかがでしたか?
岩﨑
陸上競技を通じて学んだのは、仲間の大切さや支えてくれる家族をはじめ、自分にかかわる全ての方に恩返ししたいという想いですね。自分の中では学生時代に、去年の自分より格好よくありたいっていう気持ちもありましたが、過去の自分を上回る気持ちも大事だと思うんです。いまだにやっぱり青春ど真ん中ですね。
失敗はたくさん経験したもの勝ち
吉川
続いて、岩﨑社長が過去にトヨタの自動車営業成績で1位を獲得されたということで、そのような成績を収めるに至る経緯をお聞かせください。
岩﨑
自分の中では一生懸命頑張っていたら1位が取れたって感じなんですね。なぜ1位を獲得できたかっていうのは自分でもあまり分かっていないですけど、すべき仕事は、「目の前のお客様のために自分が何ができるか」というお客様目線で考えることです。
吉川
お客様の立場に立って、何をされたら嬉しい気持ちになるか考えるということでしょうか?
岩﨑
その通りです。車って買って終わりではなくその後のフォローもしていかなくてはならないので、どれだけ家族の一員のようにお客様に寄り添えるか、その繰り返しだと思います。
吉川
そうなんですね。ということは、岩﨑社長にとって営業成績はあまり意識されておらず、お客様本位の営業を続けていたら気が付いたら1位だったということなんでしょうか?
岩﨑
とにかく仕事を楽しんでいましたね。仕事を楽しむことを追求したら結果が付いてきたという感じです。
吉川
仕事を楽しむ気持ちってとても大事なんですね。仕事のどのような部分が楽しかったですか?
岩﨑
私は何でも挑戦したいタイプなので、敢えて失敗をたくさん経験する道を選んで、とにかく挑戦することを意識しています。そうすれば仕事って楽しいと思えるんです。
吉川
失敗を恐れず挑戦し続けるって難しそうです。岩﨑社長は失敗が怖くないのでしょうか?
岩﨑
陸上の経験が大きいかもしれません。試合に負けても泣くのではなく、次の試合に向けた練習に意識が向いていましたし、今の自分の実力が低くても来年見返してやろう、という気持ちでいましたね。
吉川
今の若い世代って失敗をすることを恐れている傾向にあるのかなって思うのですが、そのような失敗を恐れない精神はどのように培えられるとお考えですか?
岩﨑
もちろん時代も違うし用いるツールも違うので、今の若者の気持ちもよく分かります。
ただ、僕たちの時代は情報がなかったので、チャレンジして自分から情報を掴みに行くしか手段がなかったんですよね。だから僕が今大学生だったら、恐れて一歩が踏み出せないかも知れないですね。(笑)
でも、今って昔より世界で活躍する方たちがたくさんいらっしゃいますよね。なので今の時代は、やりたいことを存分にやることや個性を発信する勇気が必要だと感じています。
吉川
なるほど。一世代前は自分の足を使って情報を掴みに行くという手間があるがゆえに、挑戦する勇気を得るに至ったんですね。
岩﨑
そうですね。足で情報を得るからこそ感じることもあるんです。例えば、スタッドレスタイヤに履き替えたいというお客様の家に訪問することもあるんですが、車庫の環境や斜面の角度など、現場でしか得られない大事な情報もあるんですね。こういった情報こそ仕事で役に立つので、いつの時代も自分で情報を掴みに行くことは大事なのかもしれません。
吉川
便利な時代になっても、モノは使いようってことですね。
では、実際に失敗をしてしまった場合にその経験をどう生かせばよいのでしょうか?
岩﨑
失敗の度に、一歩下がって俯瞰的に自分を見つめ直すことが重要だと思います。上司やお客様に怒られたときは、一度外の景色を眺めながら、何故失敗してしまったのか、誰にどのような迷惑を掛けてしまったのかなど、10分くらいの時間で客観的に考えるようにしています。
人間はみんな失敗する生き物だからこそ、失敗を恐れず挑戦し続けてほしいと思います。
吉川
失敗しない人間はいないという考え方ってすごく励みになります。失敗してもポジティブに感じられることが重要なんですね。
岩﨑
そのような気持ちの切り替え方は皆さんそれぞれあると思うので、いつまでも気にせず次に切り替えることが大事です。
原動力はお客様を想う気持ち
吉川
岩﨑社長が独立されてご自身の会社を設立された背景についてお聞かせください。
岩﨑
トヨタの車しか販売できないからです。次第に全ての車を販売できるような会社を作りたいと思うようになりました。お客様にとって本当に適した車ってトヨタではないかもしれないなかで、他社メーカーを差し置いてトヨタの良い部分だけをお客様に伝えることに疑問を感じようになりました。
吉川
岩﨑社長の「お客様を大切にしたい」という想いが独立の決め手だったんですね。
では、独立されたからこそ得られた経験などはございますか?
岩﨑
独立して一番に思ったのが、今まで出会った方々との人脈を大事にしてきて良かったということです。トヨタ時代にお付き合いしてきたお取引先の方々と、現在も強い絆で結ばれているということを一番感じますね。身を投げ出して独立したつもりが、こんなにも仲間に恵まれてるんだなっていうのは独立したからこそ得られた感動です。
吉川
独立前の「トヨタの岩﨑さん」から、独立後は岩﨑社長のお名前こそが一番のブランドになりますよね。
岩﨑
そうなんです。毎日感じます。「なんてありがたいことなんだろう」って。私のお付き合いしているトヨタやスズキ、ホンダなどのディーラーの皆さんと一緒にお食事に行くことがあるんです。だから、自動車業界って本当は皆仲良しであり、仲間なんです。
吉川
自動車メーカーで壁を隔てることなく、皆で団結している姿がとても素敵ですね。
お客様との具体的なエピソードなども是非お聞かせください。
岩﨑
すごく想い出深いのは、とある農家のお客様ですね。トヨタ入社後30年以上お付き合いしているお客様で、その方がお孫さんの車を買いたいってお電話くれたんですが、そのお孫さんは私が入社したときに生まれた方なんです。そのご家族様は3世代にわたってお車を販売させていただいて、私のことを頼ってくれて嬉しかったです。
吉川
ありがとうございます。とても心温まるお話ですね。
お客様を想うことが最大の武器
吉川
イワサキ自動車様は、お客様の待ち時間を0にすることを目標とされていますが、そのようなことは実際に可能なのでしょうか?
岩﨑
お客様だって、休みの日にわざわざ点検で2〜3時間も待たされたくないと思うんです。
点検車をお預かりしている間、代車をお渡しして好きに乗ってもらっています。お貸しする代車にもこだわりを持っているんですよ。
吉川
代車にこだわりですか?
岩﨑
お客様に車を貸す以上は新しいものを体感してほしいですし、お客様の時間を大切にしたい。「こんな良い車使っていいの?」って思ってもらいたいです。だから代車の品質にも強いこだわりを持っています。
吉川
代車のことなんて考えたこともなかったです。
細かいところまでお客様のことを想うお気持ちがいき届いておられるんですね。
岩﨑
もっと専門的な話になると、車検で言われたまんまにいっぱいお金払ってきているお客さんをずっと見てるんですよね。私は過剰な整備とかはしたくないんです。僕たちはそこのプロとして、メーカーさんとやり取りをした上でお客さんに適正な価格を伝えるっていうことを徹底しています。
吉川
そういった岩﨑社長のご尽力が実を結んだと体感することはありますか?
岩﨑
広告を一切かけてなくてもお客様が増えてくれています。スタッフが必死に仕事に取り組むっていうことそのものが最大の広告になっちゃってますね。
あとは、お客様からの紹介もいただけるんです。「俺の友達が今度出るプリウス買いたいって言ってるんですけど紹介しましょうか?」とか。紹介を欲しそうな顔してるんですかね(笑)
吉川
岩﨑社長のお人柄や想いがお客様に伝わっているんですね。
社会人になる前にこのようなお話をお聴きできて本当に良かったです。ありがとうございます。
社長直伝「岩塾」とは?
吉川
岩﨑社長自らが行っていらっしゃる「岩塾」についてお聞きしたいのですが、こちらはどういったものなのでしょうか?
岩﨑
最初は基礎の段階として、車屋で働く以前の心構えを教えています。でもそれよりも大事なことは「働き方」なんです。例えばウチの会社では、14時を基準に翌日の日報を打合せするのですが、そこでは従業員みんなの仕事や悩み事などを全て確認します。そのうえで、社員それぞれの翌日の最適解を探すことに1時間ほど時間を使っており、そのやり方を教えてます。
吉川
仕事をするうえで、前日までの過ごし方が大切なんですね。
岩﨑
はい。仕事をするうえでしっかり準備をすることは非常に大事です。朝出勤した段階で自分の一日のタスクを把握しておかないと不安になりますよね。それを防ぐために前日までにクリアにしておく。その訓練が岩塾なんです。
吉川
仕事の準備をすると具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか?
岩﨑
仕事をするうえで準備は100%ですね。朝出勤した段階で、自分は今日何をするのかを把握しておかないと1日が不安になります。それを防ぐために前日までにクリアにするんです。
新人の子には2週間、慣れてくると1か月先の予定までを準備できるようになります。これができるようになると、仕事が楽しくて仕方なくなると思いますよ。
吉川
岩塾は1人前のビジネスマンになるための土台作りの場という要素が大きいんですね。
岩﨑
そうですね。あとは、社員に夢を持つように伝えます。自身の数年後に対して、仕事とプライベートそれぞれで大きな夢を持たせてそれをみんなに共有するんです。なんの為に働くか、仕事を頑張るための目標も社会人として大事なことですよ。
吉川
僕も社会人になったら大きな目標を掲げて頑張ります!
挑戦こそが成長のカギ
吉川
イワサキ自動車様が求める人物像をお聞かせください。
岩﨑
楽しんで仕事をする人です。どんな仕事でも苦しいことはありますが、そのなかで主体的に行動して一つずつ解決を目指し、自分自身の成長を感じる。そこに喜びを見出してほしいですね。諦めずに行動し続ければ、仕事が楽しいと感じられるということを弊社では保証しています。
吉川
冒頭にお話しされた、失敗しても乗り越える姿勢を大事にされているんですね。
では最後に、これからの就活生に何か一言アドバイスをお願いします。
岩﨑
やりたいことを思い切りやってほしいです。何にも遠慮することなくチャレンジして、失敗を沢山してください。いつか失敗から成長を感じるときが来て。それが楽しくなってくるんです。だから沢山壁にぶつかってください。
吉川
貴重なお話をありがとうございました。これから失敗を恐れず沢山チャレンジしていきます。
岩﨑
こちらこそ、ありがとうございました。
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