名古屋大学大学院修士1年
池田 優
ネッツトヨタ富山株式会社
笹山 泰治
学生と経営者がお互いに意見交換をしながら、相互理解を深めるHRsessionの対談コンテンツ。
今回は、ネッツトヨタ富山株式会社の代表取締役社長 笹山泰治様に、お話を伺いました。
名古屋大学大学院工学研究科に所属。就職活動では、メーカー、エネルギー関連インフラ、人材の業界を視野に入れて活動している。クイックの企業理念に魅力を感じ、インターンシップに参加。 趣味はサイクリング、筋トレ、サッカー観戦。大学では磁性材料を利用した研究を行っている。
1968年、富山県富山市生まれ。 1989年、東京ベイ第一リゾート株式会社(後に株式会社ホテルオークラ東京ベイに社名変更)に入社後、接客業務、システム管理、総合企画室を経て、副支配人となる。 2006年、株式会社ホテルオークラ東京ベイを退社後、ネッツトヨタ富山株式会社に入社。 経営企画室室長や管理本部長を経て、2014年、代表取締役社長に就任。 自動車販売店(ディーラー)の常識や概念を変え、地域に必要とされる企業になるための地域貢献活動や、お客様のおもてなしやITの活用に尽力。
目次
池田
本日はよろしくお願いいたします。まずは、笹山様ついて知りたいと考えております。
そこで、笹山様が日々大切にしている価値観について教えていただけますでしょうか。
笹山
あまり物事に動揺しないというか、物事に対してどっしりと構えて考えることですね。
池田
笹山様の座右の銘である「泰然自若」というお言葉、まさに笹山様の価値観が表現されていますね。
どのような経緯で笹山様の人間性が育まれたのでしょうか。
笹山
先天的なものが大きいですね。基本、常に平常心でありたいと思っています。
困難に直面したときでも、逆にラッキーなことや嬉しいことに出会ったときも、平常心を保つというのは、今までもなんとなく心がけてきたことかなと思いますね。
池田
ありがとうございます。
笹山様は学生時代から社長を志されていたのでしょうか。
笹山
大学に通わずにフリーターをやっていたくらいなので、社長をやりたいとかやろうと思っていたことなんて正直なかったですね。創業者が私の祖父なんですけども、私がネッツトヨタ富山に入社したときも、父から社長になれと言われたことはなかったです。
ただ、社長にならないといけない宿命みたいなものはあったと思います。
「社長」という役割に徹する
笹山
私自身、「社長」という人格を持っているわけではなく、自分が社長の器かどうかというのも正直分かりません。
ただ「社長の役割」を担っていると思っています。責任の重さと社長が行わなければならない判断を任されている、というように「社長」というの係を務めています。小学校の生き物係や給食係と同じような認識ですね。でもその係を全力で努めようとは思っています。
池田
まさに「泰然自若」ですね。冷静に社長がやるべき仕事を整理して、「社長」としての役割を果たしておられるんだなと感じました。
笹山
「社長」としてあるべきキャラクターはたくさんあると思いますし、常に平常心でありたいと思っている私としては、そういった考え方をしていますね。
「社長」という肩書きに距離感を感じる必要は無い
池田
「社長」というと、学生からするとどうしても距離感を感じてしまいます。
笹山
昨今では、学生でも起業して社長になれるわけですから、距離感を感じる必要はありません。
相手が年配の方であれば、世代間でのギャップを感じることもあるかもしれませんが、
役割としての「社長」に距離感を感じるのは違和感がありますね。
池田
非常に魅力的なお考えですね。
笹山
多様性が求められている現代において、人を世代や性別、役職でカテゴライズして小さな村意識を作っていくのは今の時代にマッチしていないと思います。
人それぞれにパーソナリティーがあるので、画一的なものではなく、個人に対して向き合い方を考えていく必要がありますよね。
池田
ありがとうございます。
笹山様は学生とどのような距離感で接していきたいですか?
笹山
仮に学生側が距離感を感じているのであれば、ぐっと縮めたいと思っています。
私は、世代が違うというだけで距離を置いてほしくないですね。
社長が目指すところに共感できるかどうか
池田
企業の社長とお話しするとき、「どんなことを話せばよいか分からない」という学生が非常に多いと思います。そのような学生に対して何かアドバイスをお願いします。
笹山
そうですね、社長が考える企業のビジョンと就活生の考えるところが一致するのか、というポイントで社長と議論すると良いと思いますよ。
共感できるなという部分があれば、世代間、役職間のギャップ関係なく良い人間関係が築けると思いますね。
池田
ありがとうございます。逆のことも言えますよね。
笹山
はい、社長の価値観が自分とは異なると感じれば、世代や役職の違いよりも以前の問題だと思うので、双方同じ場所にいない方が上手くいくのではないかと思いますね。
結論、その企業の社長の価値観に共感できるかどうか、というポイントが非常に重要だと感じますね。
就職活動に対する学生の価値観の変化
池田
世代間での距離感を感じる必要はない、というお話に非常に共感する一方で、時代背景とともに学生の就職活動に対する価値観も変わってきていると思います。
笹山
私が就職活動をしていた時期は、「お金を稼ぐこと」が大きな目的であったことに対して、今は「社会に貢献する」という目的を果たせるかどうか考える方が増えたと思いますね。
池田
ありがとうございます、逆に変わらない部分はありますか?
笹山
チームワークですね。人と人が相乗効果を発揮して、目指すものを勝ち取る姿は今も昔も変わらないと思います。
池田
私も学生時代はチームスポーツを行っていたので、非常に共感できます。
成果として、1+1が10にも100にもなり得ますよね。
笹山
企業も同じで、社長の旗印(ビジョン)のもと、チームとして心を合わせて目標に向かっていくことが大事だと思います。
お客様の喜びが私たちの喜び
池田
御社の若手社員の方にどのような人材を目指してほしいですか?
笹山
多様なお客様やニーズに対して、様々なご提案を行い、最適なアドバイスができる人材を目指してほしいですね。
我々が存在する理由は、安心安全を提供し、お客様に快適にお車を使っていただくためにあります。車は18歳で免許が取れて、高齢になるまで運転される方もいらっしゃるので、我々は18~80歳以上のあらゆるお客様に対応しています。
そう考えたときに、世代や性別に関わらず、お客様に寄り添い、的確なご提案ができるような人材に育ってほしいと思っています。
池田
素晴らしいですね。以前御社のHPを見させていただいて「ネッツトヨタ富山の〇〇さんからクルマを買いたい」というフレーズに魅力を感じました。まさにこのフレーズを社員の方々が体現しているのですね。
笹山
もちろん企業は社員のためのフレームワークですが、社員も企業に貢献することによって、その先の地域やお客様に貢献できる、というような思考を持つ人が増えると嬉しいですね。
フラットかつフランクに関わる
池田
笹山様が若手社員の方と関わる機会はどのくらいあるのですか?
笹山
時間があるときは、弊社の各店舗を訪れてたわいもない話をしますね。
弊社では、仕組みや制度など型にはめなくても、コミュニケーションを行えるムードがあります。
池田
「社長」という肩書に緊張してしまい、話しかけづらいという方もいらっしゃると思います。
笹山様は若手の方からどのように関わってきてほしいですか?
笹山
フラットかつフランクにお話しできると嬉しいですよね。
もちろん、人としての礼節はわきまえないといけないと思いますが。
池田
ありがとうございます。
この記事を読む就活生にとって、非常に励みになるお言葉だと思います。
笹山
一つの考え方なので、「いやそれは違う」と思う方もたくさんいらっしゃると思います。
ただ、年齢が上だから、立場が上だからといって人としての価値観が上ということはないです。
なので、年齢・役職関係なくフラットな対話が望ましいと思いますね。
人と人との関わりを大事に
池田
今後、御社に入社される方とどのような企業を作っていきたいか教えてください。
笹山
お客様に喜んでいただく、かつ、お客様に喜んでいただくことが我々の喜びであり楽しいことである、ということを社員の皆様に感じていただける企業にしていきたいですね。
池田
ありがとうございます。また、就活生にも最後に一言お願いします。
笹山
今、コロナのど真ん中で学生生活を行っていると思いますが、それは普通じゃないと思ってほしいですね。
人と人はもっと交わって、肩を組みあって、大きな口を開けて笑いながら過ごすのが本来の日常です。この3年間のような世界がずっと続くわけではないです。
これからは、人と人との距離や関わりが一層大事になる時代だと思うので、そこを楽しみに就職活動に励んでほしいと思います。
池田
コロナ禍で学生生活を過ごした全就活生にとって、非常に勇気を頂けるようなお言葉でした。
本日は貴重なお話、誠にありがとうございました。
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