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要望には「yes」でお応えします

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要望には「yes」でお応えします

早稲田大学3年生

寺田 あかり

株式会社日本ネットワークサービス

松井 照男

interview

学生と経営者がお互いに意見交換しながら、相互理解を深めるHR sessionの対談コンテンツ。

今回は、株式会社日本ネットワークサービス代表取締役社長 松井照男様に、お話を伺いました。

早稲田大学3年生
寺田 あかり

2025年3月卒業見込み。株式会社クイックのインターンシップ生。とんかつ屋と塾講師のアルバイトを掛け持ちしている。就職活動における業界・企業研究に役立つ点に魅力を感じ、インターンシップに参加。趣味はラーメン屋巡りと居酒屋巡り。

株式会社日本ネットワークサービス
松井 照男

1958年4月生まれ。神戸育ち。幼少時、学生服モデルとしてデビュー。 高校卒業後、アパレル会社に就職、その後建物管理会社を経て、1991年8月に株式会社日本ネットワークサービスを創業し、現在に至る。

目次


 


業界の地位は、私が上げる

寺田
本日は貴重なお時間をいただきありがとうございます。はじめに松井様のご経歴をお伺いしてもよろしいでしょうか。


松井
まず高校を出て、アパレルに1年ほど勤めました。それから飲食業を経験して、22歳の時に建物管理のビルメンテナンス会社に入社しました。


寺田
アパレル業や飲食業をご経験されてからビルメンテナンスのお仕事に移ったのはどうしてですか。


松井
起業したいという思いが強かったんです。技術もすぐに身に着けて独立できるかなと思ったのがビルメンテナンスの仕事でした。気がついたら11年経っていましたね。当初その企業の売り上げは年間3,000万円ぐらいだったのですが、私が11年間で約40倍にしました。その後33歳で独立させていただいたわけです。


寺田
40倍、すごいですね。


松井
ビルメンテナンス業界、建物管理業界、マンション管理業界、こういった業界は、 非常に社会的地位が低いんです。なんとか地位を向上させたかったのですが、前職では叶いませんでした。自分で地位を向上させて胸の張れる企業、業界にしていきたいという思いで起業しました。


寺田
自社から業界を変えていくという強い思いを持っていらっしゃったんですね。


暮らしの百貨店を目指して

寺田
お客様のニーズに沿った、暮らしのためのサービス、共有部分のサービスのウィッシュなどは他社と比べて珍しいのでしょうか。


松井
たぶんこの業界では、まだどの企業もやってないでしょう。駆け付けサービスやインフォネットサービスも多分業界初だと思います。


寺田
HPで事業を拝見して、建物の管理だけでなく老人ホームのご紹介など、暮らしに寄り添っていらっしゃるんだなと感じておりました。


松井
マンションにお邪魔すると、老後の生活や、引っ越しの手配など、いろんな質問を受けるんですよね。そこからお客様のニーズを知り、また新たな事業が生まれてくるんです。私たちがお預かりしているマンションで暮らしていただくからには、日々の生活だけでなく、その後の生活までお世話をしたいと思っています。


寺田
マンションから離れる方へのサポートも手厚いんですね。マンションに住んでいる人にはどんなサポートをしているんですか。


松井
弊社では大体35戸の集合住宅を取り扱っています。そこで年に1回総会をやるんですよ。役員を選んだり、来年度の予算を決めたり、決算を説明したりするんです。
参加者は約3割。その人たちの意見だけでマンションの方向性が決まってしまうのは問題ですよね。


寺田
たしかに、一部の声しか聞けていないことになりますね。


松井
ですので、総会に参加しない方からもお困りのことはないか事前に調査をさせていただき、 そこから総会運営を変えたいと思っています。それと、マンションではよく大規模修繕をやっていますよね。


寺田
見かけることがあります。


松井
大規模修繕では、外壁の塗装工事、タイルの補強、屋上の防水工事などを行っています。お金もたくさんかかります。そのお金を修繕積立金から捻出してるのですが、捻出できないマンションもたくさんあるんです。なので長期的な修繕計画書を立てて対策しています。


寺田
そうなんですね。たくさんの事業を展開されていますが、どんな経緯があったのでしょうか。


松井
分譲マンションを扱っているといろんなお話が来るんです。私たちはマンション保険の代理店業務もありますし、リフォームもします。大規模修繕の時に1級建築事務所も関わってくる。そうやって仕事をしていくうちに、ご紹介がどんどん広がっていくんですよ。私たちはノーとは言いません。消化できるものは全て消化してあげましょう、ということでやりだしたら結構な数の仕事になっちゃったなと。だから全ては副産物なんですよ。


寺田
なんでも屋さんみたいな側面が強いんですか。


松井
なんと言えばいいか…。スーパーマーケットから、百貨店に行きたいなというか。


寺田
暮らしの百貨店のような形を目指されているんですね。


建物にも予防医療を

寺田
「ノーとは言わない」という言葉が印象的です。お客様に提供したい価値や感じてほしいことはなんでしょうか。


松井
業界の価値を上げていきたいんです。聞けばなんでも答えてくれるな、いてもらわないと困るなと思っていただきたい。何か起きてからというより何も起きないようにすることが大事だと思っています。


寺田
どういうことでしょうか。


松井
建物は建ったその日から老朽化が始まるんです。建物は15年経ったら外側を修繕すれば綺麗に見える。でも、内部は蘇らないんです。だから予防することが私たちの管理への一番の想いですよね。


寺田
なるほど。先手を打つんですね。


松井
そうです、壊れてから直すんじゃない。人間もそうですよね。倒れる前に倒れる原因を見つけておくのが一番。建物も同じことなんですよ。


寺田
予防医療と同じことですね。


駆け込み寺の役割を果たす

寺田
御社が今一番ターゲットとされている顧客層へのアプローチ方法を教えてください。


松井
私たちが取り扱っているのは、小ぶりなファミリータイプのマンションが多いんです。でも戸数によってやることが変わるかと言えばそうじゃない。じゃあ、どちらの方が収益性がいいかはわかりますよね。


寺田
100戸のマンションのほうですね。


松井
そうです。ですので、だんだん小さなマンションをぞんざいに扱うようになる企業もあるんです。私たちは、どれも大切なお客様ですので差別はいたしません。ですので、困っているところから年間20から30くらい問い合わせが来ます。駆け込み寺みたいな形で、それはそれでいいかなと思ってるんですよ。


寺田
大手企業だと対応できないようなところで困ってるお客様にアプローチしたいとお考えなんですね。


松井
アプローチするというより、お客様からお声がかかるという形ではありますが。助けてほしいと言われたら、助けないといけないでしょう。


「なんでも屋」として地域に貢献

寺田
松井様ご自身が企業経営をされる際に大切にされていることや、意識されていることはございますか。


松井
近江商人で言われてる「三方よし」ってご存知ですか。


寺田
売り手よし、買い手よし、世間よしですね。


松井
はい。弊社では2つ加えて「五方よし」を掲げてます。社員よし、パートナーよしが加わります。社員もモチベーションが上がらないとダメだし。私たちができないところをパートナー企業にお願いしているケースもありますので、泣かしていたらダメですよね。それが「五方よし」なんです。


寺田
考え方を広げていらっしゃるんですね。なぜでしょうか。


松井
「世間よし」のためです。いくら儲けても、世間に認められないと企業は存続しないと考えています。ですので、今は「青色防犯パトロール」を行って、地域の治安に貢献しようとしています。


寺田
そうなんですね。ほかにも何かなさっていることはありますか。


松井
マンションの住民の中には、高齢の方もたくさんいらっしゃいますので、見守り活動も兵庫県と神戸市から委嘱を受けています。あとは認知症のサポーターや障害者の支援事業、マンションの子供たちに向けた里山体験や、田植えなどもしています。弊社の従業員は全員、市民救命士のライセンスを持っているので、そこでも貢献したいなと思っております。


寺田
世間に認められてるからこそできることですし、世間に貢献するサイクルができますね。


松井
そう信じています。でないと企業に未来はない、と言ったら大げさかもしれないですが、業績が良くても、全くそういうものに興味がない企業はこれからどうなるのかなと思います。
SDGsもそうですよね。6項目は弊社でも展開しています。特に重視しているのは、「全ての人に健康と福祉を」と、「住み続けられるまちづくりを」です。


寺田
SDGsに取り組まれてる企業は多いですが、どの企業も2項目とか3項目のところが多い印象があります。6項目ってすごく幅広く取り組まれているんですね。


松井
寺田さんがおっしゃる「なんでも屋」ですから。弊社は幅広く事業を展開しているので、その中でSDGsでも多くのことに取り組めるんです。特に省エネに関してはまだまだ頑張りたいです。


相互扶助できるマンションへ

寺田
暮らし全般にサービスを提供されていると思うのですが、お客様に提供したい価値が最も強く反映されているサービスはなんでしょうか。


松井
私たちは24時間、365日休みなく、交代でみなさまからのお困りごとを聞いてます。特に、設備上の問題が多いです。トイレ詰まりや水漏れなど、いろんな連絡を受けます。この一次対応を無料でやってます。多分これをやっているのは弊社だけではないでしょうか。


寺田
ものすごくシンプルに、困っていたら助けてあげたいという思いをお持ちなんですね。
そういう思いをちゃんと事業に反映する企業は少ないと思うので、 そこが御社の強みなのかなと感じました。


松井
そうですね。今は優良管理組合というのも行っているんですよ。
このマンションはいいよっていうマンションを認定して表に貼っちゃうんですよ。
そんなマンションに住みたいと思いませんか。買いたいと思いませんか。


寺田
思います。どんなマンションを認定しているんですか。


松井
たくさんの項目があるんですよ。お金もちゃんと潤沢にありますよとか、住民の質とか。どんな住民がいるかわからないマンションって買えないですよね。
相互扶助に溢れた住民さんが集うマンションって素敵です、なのでそうなるようにご提案もしています。


寺田
田舎で鍵をかけずに出かけるような、そういうイメージでしょうか。


松井
そういうのが理想ですね。今はみなさん戸建てよりもマンションを選ぶ方が多いです。
マンションは密封された空間なので、5年住んでいるけど隣の人と喋ったことがないよって方もたくさんいらっしゃいますよね。人との付き合いが面倒という方もいます。
そうなってくると、だんだん自分勝手な行動をとるようになるんです。


寺田
そうですよね。住んでいる人も、これから住みたい人も、相互扶助ができるような環境を保証するのは安心できそうです。


松井
それを目指して、みなさまと共に頑張っていきたいというのが私の思いです。


入社後の活躍のカギは

寺田
最後に、御社を志望する学生が他の建物管理の会社であったりとか同業他社と比較した場合に、 ぜひ知ってもらいたい、御社ならではの特徴や強み、学生に伝えたいものって何かありますか。


松井
来てほしいと思っているのは、ライセンスの取得に積極的な方や、失敗を糧にどんどん考えて前に進める方です。チャレンジできる環境があるところは他社と差別化されている部分ですね。


寺田
どんなライセンスにチャレンジできるんですか。


松井
マンションに携わるマンション管理業務主任、マンション管理士、一級建築士、不動産鑑定士です。ほかにも、デザイン的に言いますと、リフォームのプランナーやコーディネーターなどですね。いろいろあるんですよ。


寺田
環境が整っていて、準備されているっていうことですね。
最後に、就職活動をしている学生に向けて、松井様からメッセージがございましたらお願いしたいです。


松井
就職してから自分の理想と現実にはかなりギャップがあると思います。
それでも、自分でやりがいを見つける。結局入社しないとわからないことも多いですから、辛抱してプロ意識をしっかり持って、早く企業に貢献できるようにしていただきたいです。


寺田
そうですよね。環境に頼るのではなく、自分から意識を持って動いていく。


松井
あとは自分から飛び込んで、わからないことは聞いてまわる。
なにかあれば一緒について行ってもらう。そうやってどんどん前向きにやっていける子は、企業が望む人材に育っていくんじゃないかなと思いますよ。引っ込み事案で、誰かが言ってくれるまで待っていてはダメだと思いますよね。


寺田
前向きさが何よりも大事なのですね。本日は貴重なお時間いただきありがとうございました。




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