広島大学 4年生
足立 汐音
沖縄マツダ販売株式会社
宮里 豊
学生と経営者がお互いに意見交換しながら、相互理解を深めるHR sessionの対談コンテンツ。
今回は、沖縄マツダ販売株式会社 代表取締役社長 宮里 豊様に、お話を伺いました。
広島大学総合科学部。2024年4月より株式会社クイックに就業予定。卒業研究では町の小さな本屋について書く予定。趣味は居酒屋巡り、特技は日本酒の利き酒。早く大阪でお気に入りの居酒屋を見つけたい。
1963年2月生まれ 1988年沖縄マツダ販売㈱入社 営業部配属 2009年 店長 2018年 執行役員 2021年 常務執行役員営業本部長を得て 2023年4月代表取締役社長就任 18年ぶりの沖縄県出身代表者 創業73年 史上初のプロパー代表者 趣味は野球観戦 広島東洋カープと高校野球をこよなく愛する。年間公式戦5試合マツダスタジアム観戦はノルマと課す。
目次
入社以来、営業一筋
足立
まずは宮里様ご自身についてお伺いできればと思います。
どのような経緯で御社に就職されることを決めたのでしょうか。
宮里
父親のクルマを整備入庫している整備工場社長さんの紹介で19
足立
では、どのような理由で志望されていたのでしょうか。
宮里
人と接することが好きだったんです。自動車販売業というより、サービス業に興味を持って選んだ、という形です。
足立
そうだったのですね。入社されてからどのような部署を経験されたのでしょうか。
宮里
自分は入社以来ずっと営業部にいます。責任者についてもずっと営業責任者で、まれなタイプかもしれません。管理職の方は様々な部署を経験してキャリアアップしていくのが普通なので、自分のようにずっと営業職一筋の人はもう出てこないかもしれませんね。
足立
宮里様自身、人と関われる営業職のポジションで長く働けたことは良かったのでしょうか。
宮里
本当に運よく、好きな仕事、好きな領域をさせていただいたというのが、これまでのキャリアですね。
「信頼できる部下や仲間がいる」
足立
具体的にどのようにどのようにキャリアアップをされたのでしょうか。
宮里
はじめは本店の浦添店で営業を経験し、チーフ、主任、課長、店長兼任の営業部長というように、3年おきに進みました。お願いされやすい性格だったので、今は新車・中古車・保険と3つに分かれているのですが、それが1つになった新中保険営業部の責任者も経験しました。次に営業本部長執行役員を経て、今年の4月から代表取締役に任命されたというのが経緯です。
足立
順調に営業職一筋でキャリアアップされていったのですね。昇格されるにあたって、試験などはあったのでしょうか。
宮里
昇格試験として面接や論文が課されます。「マツダを沖縄県エリアでNO.1にするには何が必要か」という質問があったことは今でも覚えています。
足立
試験で自分の思いを話すにあたり、ぶれずに語っていらっしゃったことは何だったのでしょうか。
宮里
理念やミッションを語っていましたね。弊社には私より優秀なスタッフがたくさんいます。「信頼できる仲間や部下がいる」ということに触れてたいという思いがあるからです。
足立
そうなんですね。
宮里
ところが、「宮里さんそれは時代に逆行しています」「それはやめましょう」と普通に言ってくれるスタッフがいて、その内容が理念や経営の判断材料になりました。
足立
風通しが良いんですね。
宮里
年も階級も関係なくコミュニケーションをとる風土があったおかげでキャリアアップできましたね。
お客様との向き合い方
足立
マツダで車の購入を検討される方は本当に車が好きなイメージがあります。宮里様が営業を経験される中で、お客様は車にどういう価値を求めていらっしゃる方が多かったでしょうか。
宮里
色、デザイン、魂動デザイン、車の形が好きでお店を訪れる方もいらっしゃいます。マツダの特徴の一つである、排ガスが少ないクリーンディーゼルも認知されてお買い求めいただく方もいますし、ロードスターという2人乗りのオープンカーは34年ほど発売してますが、いまだにファンの方は大勢います。
足立
思い入れが強いお客様に、社員として車の魅力を伝えていくことは大変そうです。お客様との会話では何をお伝えしているのでしょうか。
宮里
研修の際に、どのような背景でこのデザインになったのか、色はどうしてこの色なのか、運転席のドライビングポジションがどのような意図でつくられたのか、マツダの車開発の方の思い入れも含めて勉強します。接客の現場ではお客様にはそういったところまでお話いただき、安全安心を含めながらマツダの車を選んでいただいています。
足立
ありがとうございます。接客風景はどうでしょうか。
宮里
車の周りで笑顔で立ち話する風景が多いです。お客様は自分が知らない情報を求めているので、選んでもらうために、若手社員はすごく努力をされながら、いい雰囲気で接客しています。
社員発のアイデア
足立
沖縄のマツダファンのために取り組まれていることはございますか?
宮里
沖縄では、ファン感謝祭というものを3か月に一度各店舗で実施しています。キッチンカーがきたり、キッズエンジニアという小さいお子さんがつなぎをつけて、タイヤを回したり、ナットの付けはずしをしてみたり。一緒にきたお父さんやお母さんが興味を持って話を聞いてくださいます。感謝祭のイベントは各店舗、発想は自由で行っております。
足立
ファン感謝祭は、宮里様が考案されたものなのでしょうか。
宮里
社員の企画ですね。
足立
素敵ですね。他にも社員の皆様が考案された企画はあるのでしょうか。
宮里
はい。1か月目の点検で、無償で点検を受けられるというのがあります。車の下回りをエンジニアが見せて、説明しながら作業をします。お客様には好評ですね。愛車の1歳の誕生日を祝って高級チョコレートメーカーをプレゼントしたりボディーシャンプーをプレゼントしています。これも社員が考えました。
足立
予想以上に社員発のアイデアが多くて驚きます。
宮里
お客様に言われて一番嬉しいのは「ありがとう」という感謝の言葉です。社員はお客様の顔を見ながら、様々なアイデアを出しています。
だんだん「好き」になればいい
足立
御社で働きたいと思っている学生に向けて、普段どのようなことをお話されているのでしょうか。
宮里
「社員が一番マツダ好き」という言葉があります。マツダのシェアは全世界でいうと1%~2%で、沖縄県内では4万台走っています。数あるブランドがある中で、お客様にマツダを好きでいていただくには、社員から好きになることが大切ということを話しています。自社商品が好きでないと、なかなかお客さんにも伝わらない部分があると思っています。
足立
そうですよね。そこがとても気になる部分で、「社員が一番マツダ好き」と掲げていらっしゃると、「自分の知識だったら他の学生に負けちゃうかな」「マツダの車が好きだけど他の学生と比べたらそれほどでもないのかな」という気持ちで面接に望む学生もいるのかなと思いました。
宮里
僕も最初はそれほど好きでなかったので分かります。最初からマツダ車が好きと断言できる方は多くないと思っています。「車の知識がないとだめですか」というのも聞かれます。
足立
そういうとき、宮里様はどのようにお答えしていらっしゃるのでしょうか。
宮里
「今は好きじゃなくても、だんだん好きになっていていけば、それは伝わるよ」と伝えます。また、逆に知識がない女性の営業スタッフで実績を出している方も多いです。マツダ車の知識がないから諦める、というより、「多くのお客様にマツダの車を伝えたい 」と徐々に思えるようになることが大切です。
自信を持って進める道を選ぶ
足立
先ほどのお話ですと、面接の段階で知識や他の人よりも好きという気持ちが劣っていても、自分の中でマツダの車の良さを人に伝えたいなという思いがあれば歓迎したいということですね。
宮里
そうですね。一個でもいいから、「マツダの車のここを多くの人に伝えたいんです」というのがあれば、充分です。
足立
宮里様は最初車に強い思い入れがなく、人と接することが好きで入社を決められたんですよね。
宮里
はい。人と接する仕事が好きだったら、その一つとして、自動車販売業・サービス業を選んでもらうのも一つだと思います。
足立
人と接することができる職業は自動車販売業だけではないですが、その点についてはどうでしょうか。
宮里
そうですよね。今の大学に入った理由や経歴を聞くと過去になりたい姿があった学生もいて、たまたまそのルートが閉ざされてしまって、自動車販売業に入ろうとする学生もいます。
感謝の気持ちを忘れない
足立
人と接する仕事がしたいと思っている学生がいらっしゃったとして、そこと自動車販売業・マツダをつなげるもうひとつ何か大切なものはあるのでしょうか。
宮里
やはり、感謝の気持ちを持てる方です。特に親御さん、祖父母、お世話になった先生に感謝をできる人は、マツダの営業としてやっていけます。感謝の気持ちが持てる学生は、マツダの車の良さを上手にお客様に伝えることができる。あとは一生懸命さですね。
足立
ありがとうございます。接客が好きでかつ沖縄で働いてみたいと思う学生が、
御社を選んでいただけるきっかけになればと思います。
宮里
はい。今回このような場を設けていただきありがとうございました。
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