立命館大学3年生
大崎 有輝
株式会社パナドーム
藤井 伸昌
学生と経営者がお互いに意見交換しながら、相互理解を深めるHR sessionの対談コンテンツ。
今回は、株式会社パナドーム代表取締役社長 藤井 伸昌様に、お話を伺いました。
小学2年生から高校まで11年間サッカーを続けたのち、現在は大学のよさこいサークルに所属している。 ビジネスパーソンの価値観や判断基準を身近に感じられる機会に魅力を感じ、インターンシップに参加。 趣味は読書や料理など。
愛知県岡崎市生まれ。薬学部卒業後、薬剤師として薬局へ勤務。 その後地元岡崎市に戻り、株式会社パナドームの代表取締役に就任。 現在は薬局事業、生活支援事業、福祉介護事業、公民連携まちづくり事業、飲食事業を展開。
目次
大崎
それでは社長様のご経歴について伺わせてください。
藤井
はい。愛知県岡崎市に生まれて大学は北陸のほうの薬学部に行き、薬剤師として臨床の場で活動していました。家業が電気屋さんだったので、家業を継ぎつつ、私自身のやりたい事業を新たに始めていき、今は全てを継いでいます。
両親から学んだお客様への向き合い方
大崎
薬剤師を志したきっかけはなんだったのですか。
藤井
やっぱり人の役に立ちたいというのが根幹にあります。人の役に立つ仕事として、医療従事者って一番すぐ出てくるじゃないですか。その中で自分ができることを考えた結果、薬剤師という道になりました。
大崎
なるほど。採用ページにも「この人は自分のお客様だと言えるような薬剤師に」という言葉がありましたね。
藤井
よく見てくださっていますね。
大崎
HPもすごくきれいでおしゃれで、楽しく拝見しました。
印象的な言葉ですが、その言葉に至った経験はありますか。
藤井
もともと家が小さい町の電気屋さんをやっていたので、一人一人のお客様に対して向き合う姿を見てきたからかもしれません。
大崎
最初は町の電気屋さんから始まり、薬局事業などに企業の形が変わっていくことになったと思うのですが、葛藤はありましたか。
藤井
葛藤は全然ありませんでした。むしろ全部引き継いだ時に、自分なりに企業を継続できるかなということをすごく考えました。
大崎
藤井様が薬剤師なこともあり薬局という形になったのですか。
藤井
もちろん薬局としてはそうですね。私は電気のことは専門ではないので、スタッフがいる中でどうやって継続させていけるかも考えての形です。
多角化が社会貢献への近道
大崎
藤井様は電気も含め、薬局、インフラなど、さまざまなところに関わっていらっしゃいますもんね。そうやって新しい環境に身を置き、知識を得て来られたと思うのですが、新しい環境に適応するために心掛けたことはありますか。
藤井
時代の流れもあるので、変化に対して臆病にならないように意識しています。年齢を重ねるごとに変化に対して億劫になるので、受け入れて変化を楽しむことを意識しています。
大崎
HPの対談も拝見したのですが、新しいことに挑戦することにワクワクするとおっしゃっていましたね。私も挑戦することは好きなのですが、歳を重ねたときにそうあれるかは不安です。藤井様の中には何か原動力があるのですか。
藤井
原動力か…。2つあります。まず自分たちのサービスで顧客・患者様に喜んでもらうこと。
あとは仕事が楽しいことかなと思います。
大崎
どんな点で仕事が楽しいのですか。
藤井
仕事って社会との接点なんです。なので私にとっては楽しいし、毎日同じことをやっていてもやっぱり違いがあるし、それを感じることで仕事って楽しく思えますね。
大崎
違いが楽しいという言葉もありましたが、すごく多様な事業を展開なさっていますよね。これに関して何か理由はありますか。
藤井
事業展開しているのは結果論です。ミッションが「なんでもない"ふだん"に幸せを届ける」なので、これを愛知県の三河周辺で達成するにはいろんなサービスを提供するのが一番近道だなと思い、結果的に多角化しています。
大崎
社会貢献をすごく大切にしていらっしゃるのですね。
楽しさは掴みに行くもの
大崎
ミッションのお話もありましたが、御社の到達目標はどこになるのでしょうか。
藤井
「日本一地域の顧客を知っている企業」になることをビジョンに掲げているので、そこからになりますね。
大崎
藤井様個人にとっての到達目標はありますか。
藤井
会社を発展させたいですし、従業員の皆さんがもっと増えてもっと幸せになってほしいですね。自分自身の目標はそんなにないというか、個人のことは後回しって感じです笑
大崎
社会貢献を大事にされている藤井様らしいお言葉だなと思いました。
藤井様にとって仕事とは生活の一部ですか。
藤井
それってみんな普通だと思うんですよね。一週間のうち、社会人は40時間は働くじゃないですか。起きている間は気づいたら仕事をしているようになるんです。仕事は人生の一部になるべきだし、そういう仕事をしたほうが人生楽しいんじゃないかなと感じます。
大崎
生きるためにお金が必要だから仕事しなきゃってマイナスなイメージで就職活動を始めていたところがあったんです。今いろんな企業と関わらせていただいたり、今日のような機会をいただいたりして、仕事を楽しめる企業に入りたいし、そういう企業ってあるんだなって気づいて嬉しかったです。
藤井
一点言っておくと、仕事を楽しく感じるかは自分次第なんです。周りは関係ない。与えてもらうものではなくて、自分で掴みに行くものなんです。仕事に対してこれは嫌だからって取捨選択するようになると成長のスピードも遅くなるし、機会損失にもなるので、どんな仕事でも楽しく受け入れるマインドを作るのが大事かなと思います。
大崎
ありがとうございます。受け身なところが出ていた気がします。
先ほど、同じ業務でも必ず変化はあるしそれをどれだけ楽しめるかとおっしゃっていましたが、そこも意識しながら働いていきたいです。
失敗してよかったと思う日が来る
大崎
藤井様にとって、ご自身のどんな成長が一番うれしいですか。
藤井
成長の定義にもよりますね。やったことのない、ちょっと怖いものを経験した後はやっぱり達成感を感じます。仮に失敗だったとしても経験は結果的に成長につながりますよね。やってないことをやってみて、やり終わった後は清々しいじゃないですか。そのタイミングは好きですね。
大崎
私は失敗を恐れちゃうんです。手を出せないところがあるので、失敗を楽しむというのはすごく素敵だと思います。
藤井
本田圭佑は「失敗というものはない」のような言葉を言っていて、好きなんです。
うまくいかないことがわかったという成功だと言っているんですよ。きざな感じもするんですけど、すごく当てはまっていて。うまくいかないことのほうが多い人生の中で、結果のとらえ方が人の成長のマインドを左右するんだなと感じる言葉だとも思っています。
大崎
エジソンも似たようなことを言っていますよね。
実際そういうことを受けて、私だったらさらっと流しそうだなってところを経験に落とし込まれていて、経験の違いを感じました。
藤井
これからいろんなことを経験されると思うので、どんどんチャレンジしてください。失敗だとしても良かったと思える日がきっとたくさん来ると思うのでそんなマインドでいてください。
大崎
ありがとうございます。
早く成長してほしいから
大崎
従業員の方にはどんな成長を求めていますか。
藤井
基本的には最速で成長してほしいと思っていて、スピード感は求めます。今の時代、いろんな情報が簡単に手に入るようになって、昔みたいに1人前になるためには10年修業が必要って時代ではないと思っています。成長の種類は部署やポジションによると思うんですけど、その中で共通して言えるのはスピード感ですね。
大崎
先ほどのお話にもあるように挑戦することが早い成長につながるとお考えなのでしょうか。
藤井
そうですね。会社もそうなんですが、死ななきゃいいと思っているので笑
死んだらだめですし、会社としても死んだらだめなのでシビアにならないといけない部分はあるんですが、それ以外の小さな失敗はどんどんしていいと思っています。従業員の方々も私個人としてもそうやって行きたいです。
大崎
新卒採用の中でも入社1年目の方にプロジェクトを任せていたり、さまざまなプロジェクトをなさっているなと感じました。そういったところも挑戦につながるのですか。
藤井
年齢関係なく早く経験させてあげたいというのがあります。もちろん経験させてあげられないことも多々あるのですが、経験を活かしてもらうためには多岐にわたるものをやってもらったほうが絶対にいいので、社内で機会を作るようにしています。
大崎
ありがとうございます。私も実践が一番経験につながると思います。
学生に求める3要素
大崎
学生に求める人物としてもスピーディに対応できる人になるんですか。
藤井
そうですね…。どういう学生に来てほしいか、一緒に仕事をしたいかの視点で言うと、圧倒的に素直さが大事だと思っています。この素直さが、一瞬の素直さなのではなく、社会人になった後もずっと続けていけることが基本だと思っています。
大崎
具体的に言うとどういうところなのですか。
藤井
変化に対応するためには、まず受け入れるところから始まるんですよ。
大崎
確かに否定から入る人などは受け入れられにくいですし、協調性的にも難しいところがありますね。
藤井
なので学生のうちだけでなく、社会人になって年齢を重ねても持っておきたい資質の一つですね。
大崎
私も心がけます。
藤井
あとは前向きかどうかも大事ですし、勉強好きかどうかも大事です。この3要素がうちでは求められますね。
大崎
前向きさは先ほどのお話にもありましたね。
最後の勉強好きというところは、新たなものが出てくる中でその知識を身に着けるということですか。
藤井
おっしゃる通りです。世の中は変わっていくので、それに対して興味をもって学びたいという気持ちを持ち続けられる人はすごく貴重だなと思います。
大崎
ありがとうございます。
攻めの経営、守りの経営
大崎
新規事業の開拓も考えていらっしゃいますか。
藤井
新規事業ばかりではありませんが、そこもないといけないと考えています。攻めの経営と守りの経営ってよく言いますけれども、そこのバランスを保ちながら戦略的に進めていきたいと思っています。
大崎
うかがえる範囲でかまわないのですが、どんな事業に取り組みたいと考えていらっしゃいますか。
藤井
ここ2. 3年注力しているのは、新規事業のまちづくり事業部です。岡崎市とタイアップしながら、まちづくりに関連した事業展開をしているのですが、そこではいろんな要素が必要となってきます。どうしたら岡崎市が豊かになるのかな? 何をすれば地域の課題にとっていいのかな? と考えているので、ディスカッションをしながら進めています。あとは先ほどお伝えしたように、攻めと守りの両軸が大事なので、一番の強みである薬局事業などのコア事業をしっかりと展開させていきたいです。
大崎
事業の拡大もしながら、新しいことを議論して考えていらっしゃるのですね。
自分の言葉に責任を
大崎
少し素直さのところでも出ましたが、社員の中で活躍されている方の共通点があったら伺いたいです。
藤井
一緒かな。つけ加えるなら、やりきる力と自分の言葉に責任を持てる人は活躍していることが多いですね。意見だけは言うけどその意見に対して責任を取らない人、言うだけ言って終わりの人がいますが、周りから信頼されないし、それ相応のことを言うなら責任がないといけないと思っています。
大崎
私の目標は信頼できる人になることなので、今の言葉は肝に銘じます。
最後に社会に出る準備をしている若者に一言お願いします。
藤井
繰り返しになる部分もありますが…、今は社会が見えていないところもたくさんあると思います。まずは起きたことを素直に受け止めて前向きな考えのもと、目の前の仕事、出来事を全力で楽しんでやり切ることが大事だと思います。ぜひネガティブにならずに人生を楽しんでほしいなと思います。
大崎
今日は貴重なお時間をありがとうございました。
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